LTVはマーケティングにおいて欠かせない存在になっています。
2023年ではテクノロジーが発達したことから、収集した様々なデータ・ツールを活用してマーケティング・活動が行えるようになったことからLTVに注目が集まっています。
現代でとても人気がある『サブスクリプション型ビジネス』というビジネス形態・事例が広まっていることもあり、LTVは欠かせない指標になっています。
そこで当記事では、LTV(Life Time Value)がマーケティングで注目される理由、LTVの算出方法LTVを向上させる方法、LTV(顧客生涯価値)の計算方法など、「LTVとは?」といった疑問を解決できるように解説・紹介します。
LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)とは?
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LTVとは、「Life Time Value」の略称で、日本語では『顧客生涯価値』のことを指します。
LTVは、顧客から生涯にわたって得られる利益の指標を表しています。
LTVやMAの指標は、主にBtoB・BtoCなどのWebで完結するサブスクリプション型の事業モデルのEC(デジタルマーケティング)サイトやコンテンツに多く導入されています。
顧客に関する情報・資料を適切に管理し新規の契約や顧客との関係性を改善・構築することで、顧客満足度を高く維持でき、製品の価値を高め利益につながる施策を立てられます。
一般的には、『優良顧客』や継続して何度も自社商品やサービスを購入してくれる『リピーター』を増やすために用いられる指標です。
このLTVを向上させ安定した利益を得るためには、顧客が自社商品やサービスに対して『愛着(顧客ロイヤリティ)』を持つことがポイントです。
LTVが注目される理由とは?
テクノロジーが発達したことにより、様々なデータを活用したマーケティングができるようになった現代で、LTVが注目を集めています。
また、多くの企業ではLTVを向上させることで「顧客の維持」と「継続した利益獲得」を常に狙っています。
そこでここからは、どうしてLTVが注目されるようになったのかという理由をご紹介します。
理由①CRMを活用した顧客管理が行われるようになったから

LTVが注目されるようになった理由の1つに、CRMを活用した顧客管理が行われるようになったことが挙げられます。
近年、スマートフォンやタブレットの普及に伴いインターネットを使って誰でも簡単に情報収集でき、ソリューションや戦略が立てられるようになりました。
モバイル端末の普及で顧客一人ひとりの価値観が多様化し、顧客自身が好きな商品やサービスを制作し選択できるようになりました。
この影響もあり、企業は顧客が離れていかないように常に顧客の行動を追い続け、的確なタイミングで最適なアドバイスをすることが絶対条件になりつつあります。
そこで活躍するのが『CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)』です。
CRMについて詳しくは以下記事をご覧ください。

従来なら、顧客情報・商談情報などは営業担当者一人ひとりが個別に管理していたため、重要な情報の見える化がされていませんでした。
しかしCRMを導入することで、1つのデータベースに様々な情報を集約することができるので、全社で情報を共有し「営業活動の見直し」「顧客ニーズの理解」を行うことが可能になりました。
顧客ニーズを常に理解することで、顧客一人ひとりに対して最適な商品・サービスの提案・提供が実現しました。
理由②新規顧客獲得よりも既存顧客の成長が重要になったから
LTVが注目される理由の2つ目として、新規顧客獲得よりも既存顧客の成長が重要になったことが挙げられます。
マーケティングに携わる方なら聞いたことがあるかもしれませんがマーケティングでは、『1:5の法則』という用語があります。
1:5の法則とは、新規顧客獲得に必要なコストは既存顧客の5倍ものコストがかかるという考え方のことです。
噛み砕いて説明すると、新規顧客獲得よりも既存顧客の維持を目標にマーケティング施策を立てることが重要であるということです。
そのため既存顧客の維持が重要だと知った企業は、CRMを活用し既存顧客と良好な関係性を維持することに努めています。
理由③サブスクリプション型ビジネスモデルが流行しているから

LTVが注目を集めている理由の3つ目として、サブスクリプション型ビジネスモデルが流行しているという背景があります。
サブスクリプションとは、顧客が「月額料金」または「年間料金」を支払い、契約期間内であればサービスが使い放題というビジネスモデルのことを指します。
このようなサブスクリプション型ビジネスモデルでは「顧客満足度を向上させられるか」「顧客に継続的にサービスを利用してもらうためにはどうすれば良いか」を考えることが重要とされています。
そこで現状、顧客満足度はどのくらいあるのかを測定するための指標として『LTV』が用いられています。
LTVの算出方法3選
ここまでLTVが注目を集めている理由を紹介してきましたが、ここからは「LTVの算出方法3選」をご紹介します。
マーケティングを行う上で、顧客との良好な関係を築くことが重要になる中でLTVという定量的な指標が活用される場面が多くあると思います。
そこで今回はLTVの算出方法を以下3つの場合に分けて紹介しています。
・一般的なメーカーや小売業者のLTV計算方法
・SaaS(サブスクリプション)の計算方法
・CAC(Customer Acquisition Cost)の計算方法
業種や業態によって算出方法は変わりますが、以下から紹介する算出方法を参考にしてほしいと思います。
一般的なメーカーや小売業者のLTV計算方法
一般的なメーカーや小売業者がLTVを算出する場合は、以下のような計算方法を用います。
LTV=1回の購入単価(円)×購入頻度(回)×使用期間(○○ヶ月/○○年)
上記の算出方法を使用した例は以下の通りです。
ネットショップで販売している商品を、約60日間で使い切るものだとしたら、購入頻度は『約6回』ということが分かります。
さらに、1年間で商品を使わなくなる人の割合が10%だった場合、使い続けてくれる期間は『約10年』ということが分かります。
上記のような計算方式に当てはめるだけで、LTVが簡単に計算できるようになります。
SaaS(サブスクリプション)の計算方法
次に、SaaS(サブスクリプション)の計算方法について解説します。
SaaS(サブスクリプション)の場合は以下のような計算方法を用います。
LTV=月額料金or年額料金(円)×使用期間(○○ヶ月/○○年)
このようなサブスクリプション型ビジネスモデルでは、顧客データを収集しやすいという特徴があるので、LTVを比較的算出しやすいというメリットがあります。
また、継続して商品やサービスを使い続けてくれる期間は『Churn Rate(チャーンレート/解約率)』から算出することができます。
例えば、Churn Rateが20%だった場合、継続して商品やサービスを使い続けてくれる期間は『平均5年』ということが分かります。
CAC(Customer Acquisition Cost)の計算方法
サブスクリプション型ビジネスモデルでは、LTVと合わせて『CAC(Customer Acquisition Cost/顧客獲得単価)』という指標が用いられます。
CACとは、新規顧客獲得に必要な費用を計算するために企業が使用する指標のことです。
CACは主に、「インターネット広告」や「キャンペーン施策」に用いられることが多く、新規顧客獲得にかかった『広告出稿費用』が対象になります。
一般的に、サブスクリプション型ビジネスモデルでは以下のような算出方法が理想的だと言われています。
LTV/CAC>3x
上記計算式を見ただけだと意味が分からないという方もいるかもしれませんが、意味としてはLTVが1人の顧客を獲得するためには3倍以上の費用が必要ということです。
そのくらいマーケティングにおいては、既存顧客の維持よりも新規顧客獲得の方が困難を極めるということが分かります。
LTVを高めるための方法とは?
ここからは、LTVを高めるための方法や改善策をご紹介します。
前述でも記載した通り、新規顧客獲得は既存顧客よりも5倍のコストがかかるため「コスト面」「労力面」から見ても非効率です。
そこでLTVを向上させることが、企業の安定した収益につながります。
以下より、「一般的なメーカーや小売業者のLTV改善策」「SaaS(サブスクリプション)のLTV改善策」を見ていきましょう。
方法①一般的なメーカーや小売業者のLTV改善策
ここでは、一般的なメーカーや小売業者のLTV改善策をご紹介します。
メーカーや小売業者がLTVを向上させるためには、以下2つの改善策が必要です。
改善策①1回の購入単価を上げる

一般的なメーカーや小売業者がLTVを向上させるためには、1回の購入単価を上げることが改善策として挙げられます。
より上位の高価な商品やサービスに移行してもらう『アップセル』や関連する商品やサービスをセットで購入してもらう『クロスセル』によって1回の購入単価を上げることで、LTVを向上させることができます。
また、毎回提案している商品やサービスよりも高価なものを購入してもらうことができるので、高い利益率を得ることができるというメリットがあります。
・アップセルとは・・・より上位の高価な商品やサービスに移行してもらう営業活動のこと。
・クロスセルとは・・・いつも購入している商品やサービスに加えて、関連するものをセットで購入してもらう営業活動のこと。
改善策②顧客の購入頻度を高め長期間使ってもらう
一般的なメーカーや小売業者がLTVを向上させるための改善策2つ目としては、顧客の購入頻度を高め長期間使ってもらうことが挙げられます。
前述で説明した、1回の購入単価を上げるという施策の他に「顧客の購入頻度を高める」「途中で使うのを辞めるもしくは解約する人を減らし、長期間使ってもらう」ことでLTVが改善されます。
そのためには、『データを活用したマーケティング手法』や『データドリブンマーケティング』の導入が必要不可欠です。
方法②SaaS(サブスクリプション)のLTV改善策
ここからは、SaaS(サブスクリプション)のLTV改善策をご紹介します。
サブスクリプション型ビジネスモデルは、顧客データを扱いやすいという特徴がありLTVを算出しやすいというメリットがあります。
また、『Churn Rate』と呼ばれる『解約率』が高いか低いかでLTVが分かります。
改善策①Churn Rate(チャーンレート/解約率)を下げる
SaaSすなわち「サブスクリプション」でLTVを高めるためには、Churn Rate(チャーンレート/解約率)を下げる必要があります。
サブスクリプション型ビジネスモデルでは、顧客がサービスに対して満足度を高めることが重要で、長期的にサービスを利用してくれるかに重点を置いています。
そこで、Churn Rateと呼ばれる『解約率』を下げることで、顧客満足度が高いということになりLTVが向上します。
マーケター・プロフェッショナル・ライター・ライティングコーチとして100を超えるテクノロジー企業と仕事をしてきた『アン・H・ジャンザー』が著者の『サブスクリプション・マーケティング~モノが売れない時代の顧客との関わり方~』では、「アメリカのズオラは、サブスクリプションビジネスの平均チャーンレートは、BtoBで年率「26%」、BtoCで年率「35%」と発表した」と記されているので、この数値をもとに自社のチャーンレートが適正な数値かを判断することをおすすめします。
改善策②ARPU(Average Revenue Per User)を上げる
サブスクリプションのLTVを向上させるためには、『ARPU(Average Revenue Per User)』を上げることが重要です。
ARPUとは、「Average Revenue Per User」の略称で意味としては、『1顧客あたりの平均売上額』を指します。
これは、一般的なメーカーや小売業者の購入単価に似ていますが、ARPUは「月ごと」「年ごと」と期間で区切って算出されることが多いです。
ここでも前述で説明した『改善策①1回の購入単価を上げる』と同様に、「アップセル」「クロスセル」を行う必要があります。
例えば、より上位のグレードを上げたプランに移行してもらったり、オプション項目を追加してもらったりなど様々な施策が考えられます。
セールスフォース・ドットコムの創業期に入社し、CMO(最高マーケティング責任者)やCSO(最高戦略責任者)を歴任した『ティエン・ツォ (Tien Tzuo)』が著者の、『サブスクリプション~「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル~』では、「チャーンレートが低いサブスクリプション(売上高2,500~7,500万ドル)の企業は、顧客の1/3にクロスセルを行っていた」という紹介がされています。
上記のように上手くいっているサブスクリプションビジネスでは、ARPUを高める工夫がされていることが分かります。
改善策③CACや顧客維持コストを下げる
LTVに直接関係はありませんが、自社の利益を増やすために『CAC(Customer Acquisition Cost/顧客獲得単価)』や『顧客維持コストを下げる』ことも考慮する必要があります。
例えば、自社商品やサービスに対しての口コミをもっと大勢に広まるように仕組みを考えたり、「メルマガ」や「YouTube」などを活用します。
そのように顧客との良好な関係を築き保つことを実践することで、最終的には自社の利益を伸ばしていくことができるようになります。
まとめ
ここまで「LTVとは何か?」「LTVが注目を集めている理由」「LTVの算出方法3選」「LTVを高めるための方法」などを紹介してきました。
LTVが向上することで、自社商品やサービスに対して『リピーター』が増えるので継続的に安定した利益を得ることができます。
また、リピーターが口コミやSNSなどにレビューを投稿することで、それを見た人が興味を持つことで新規顧客獲得にもつながります。
新規顧客獲得よりも既存顧客の維持を優先する方が「コスト面」「労力面」で負担がかからない現代では、LTVを高めることで自社商品やサービスの売り上げが大幅にアップする可能性があります。
当記事で紹介している『LTVを高めるための方法とは?』を参考にしてほしいと思います。
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