カスタマーサクセスは近年注目されている職種です。
カスタマーサクセスを広く分類すれば営業職になりますが、一般的な営業職とカスタマーサクセスではどんな違いがあるでしょうか。
そこで当記事では、カスタマーサクセスと営業の違いを詳しく解説します。
また、両者が連携するメリットやポイントなども解説しているので、カスタマーサクセスに取り組みたいと考えているユーザーや企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
カスタマーサクセスと営業の違い
はじめに、以下の4つの観点から、両者の違いを見ていきましょう。
カスタマーサクセスと営業の「目的」の違い
カスタマーサクセスと営業の「ゴール」の違い
カスタマーサクセスと営業の「役割」の違い
カスタマーサクセスと営業の「KPI」の違い
一つずつ順番に解説します。
カスタマーサクセスと営業の「目的」の違い
カスタマーサクセスと営業の違い1つ目は、「目的」です。
カスタマーサクセスでは、顧客満足度を上げリピーターの獲得・解約率を減らし・商品やサービスをより長く継続利用してもらい、LTVを最大化させることを目的としています。
一方、営業は新規顧客を獲得し企業の売り上げを増やすことが第一の目的にあります。
まとめると
カスタマーサクセスの目的:LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)最大化
営業の目的:新規顧客の獲得による売上増加
カスタマーサクセスと営業の「役割」の違い
カスタマーサクセスと営業の違い2つ目は、「役割」です。
営業は、契約前の顧客とやり取りを行い、新規顧客の獲得を目指します。
また、マーケティング担当が獲得した見込みのある顧客と良好な関係を築き、売上をつくり出し、自社に利益を出す役割を担います。
一方カスタマーサクセスでは、営業が契約を成立させた新規顧客に対して、自社サービスや商品を通して価値を感じてもらい、継続的な利用を促進させる役割を担います。
そして顧客に生産性向上や売上向上といった「成功体験」が得られるようサポートしていきます。
また、顧客の状態を見極め、さらなる満足度向上のため必要に応じてアップセル・クロスセルを提案し、売上向上に努めます。
営業の役割:マーケティングが獲得した見込みのある顧客との契約と関係値の構築
カスタマーサクセスの役割:営業が獲得してきた新規顧客の継続利用、必要に応じたアップセル・クロスセルの働きかけなど
カスタマーサクセスと営業の「ゴール」の違い
カスタマーサクセスと営業の違い3つ目は、「ゴール」です。
カスタマーサクセスが目指すゴールは、自社サービスや商品を通じて、顧客の生産性向上や売上向上といった成功体験に導くことです。
顧客に成功体験を与え、サービスや商品に対する価値を実感してもらうことで、継続利用や利用拡大につなげることができます。
一方、営業のゴールは、新規顧客の獲得(契約)や自社サービスや商品を販売し、売上数字をあげることです。
営業のゴール:新規顧客の獲得、自社サービスや商品の販売での売上増加
カスタマーサクセスのゴール:自g社サービスや商品を通じて得られる顧客の成功体験
カスタマーサクセスと営業の「KPI」の違い
カスタマーサクセスと営業の違い4つ目は、「KPI」です。
カスタマーサクセスと営業では、KPIの設定が大きく異なります。
営業は新規契約を獲得し企業の売り上げを増やすことが目的です。
すなわち、商談数や新規顧客数など「売上」につながる要素をKPIとして設定していきます。
一方カスタマーサクセスは、顧客に商品やサービス長期的に継続してもらい、LTVを最大化させることが目的になります。
カスタマーサクセスでは売上よりも「利益」に関係する要素である、オンボーディング完了率、継続率、解約率(チャーンレート)アップセル率、クロスセル率などをKPIに設定します。
まとめると
営業のKPI:商談数、新規顧客数など
カスタマーサクセスのKPI:オンボーディング完了率、継続率、解約率(チャーンレート)、アップセル率、クロスセル率など
カスタマーサクセスと営業が連携で得られるメリット
ここまで、カスタマーサクセスと営業の違いを詳しく解説してきました。ここからは、カスタマーサクセスと営業の両者が連携するメリットや成功のために意識するポイントを詳しく解説していきます。
カスタマーサクセスが目的を達成するためには、営業との連携は必須になるので、参考にしてみてください。
顧客満足度の向上
カスタマーサクセスと営業が連携するメリット1つ目は、顧客満足度の向上です。
カスタマーサクセスと営業の連携により、カスタマーサクセスが把握している顧客情報(課題感やニーズ)を営業と共有することができます。
課題感やニーズを営業と共有することで顧客の期待値を適切に設定でき、契約につながる可能性を高められます。
顧客の解約率上昇、満足度低下の理由として、サービスや商品に対する予想以上の期待値を契約前に顧客に持たせてしまっていることがあげられます。
そこで、両部署が連携することにより、顧客に適切で温度感に違いがないアプローチが可能になります。
顧客の期待値を適正に設定できれば、顧客の満足度低下や解約率削減ができ、結果的に満足度向上につなげられます。
売上の最大化
カスタマーサクセスと営業が連携するメリット2つ目は、売上の最大化です。
カスタマーサクセスで顧客のLTVを高め、売上を最大化させるためには、営業との連携が必要不可欠です。
カスタマーサクセスが営業と顧客のデータを共有することで、顧客理解が深まり、適切な提案ができます。
その結果、自社サービスや商品にマッチした顧客が増え、継続利用も見込めます。
さらにこうした顧客には、アップセルやクロスセルも必要に応じて提案していき、LTV(顧客生涯価値)の増大が図れ、効率良く収益拡大が見込めます。
カスタマーサクセスと営業が連携する際に意識すべきポイント
ここまで、カスタマーサクセスと営業が連携するメリットを解説してきました。
最後に、カスタマーサクセスと営業が連携する際に、意識すべきポイントを解説していきます。
お互いの立場で物事を考える
カスタマーサクセスと営業が連携する際のポイント1つ目は、お互いの立場で物事を考えることです。
営業がカスタマーサクセスの立場で物事を考えることで、顧客に起こりうるトラブルをある程度、把握して事前に顧客に伝えることができます。
また、それをどのように解決するのかを知っておけば、カスタマーサクセスのサポートにもなります。
一方カスタマーサクセスが営業の立場で物事を考えることで、新規顧客獲得や商談の際に役立ちそうな情報をイメージし、効率良く情報をピックアップして営業に伝えることができます。
このように、両部門がお互いの立場で物事を考えることで、スムーズに連携ができ、顧客にアプローチできます。
両部門の責任者同士が連携のメリットを理解し、協力する
カスタマーサクセスと営業が連携する際のポイント2つ目は、両部門の責任者同士が連携のメリットを理解し、協力することです。
営業はカスタマーサクセスからの情報を基に、自社サービスや商品がマッチする見込み顧客にアプローチができ、発生しうるトラブルなどを契約前に事前に説明することで、成約率を高められます。
一方でカスタマーサクセスでは、営業で獲得してきた自社サービスや商品がマッチする見込みのある顧客、カスタマーサクセスは解約率削減につなげられます。
また、営業から引き継いだ顧客情報によって、顧客の成功体験に積極的に関わることができます。
このように、両部門のメリットを理解し協力することで、自社の売上や利益増加が促進されます。
顧客の情報を共有する
カスタマーサクセスと営業が連携する際のポイント3つ目は、顧客の情報を共有することです。
顧客情報は営業メンバーだけの共有にせず、必ずカスタマーサクセスとも共有することを意識しましょう。
また、カスタマーサクセスと営業は別部門として考えるのではなく、一緒に顧客にアプローチするチームととらえれば、より相性の良い顧客にサービスや商品を提供でき、成功体験を生み出すことが可能になります。
まとめ
ここまで、当記事ではカスタマーサクセスと営業の違い、連携するメリットや違いを解説してきました。
カスタマーサクセスと営業は自社の売上および利益につなげる最終ゴールがあり近い部署ですが、その役割や目的は大きく異なります。
営業が新規顧客を獲得することで、カスタマーサクセスは獲得した顧客に対して継続や利用拡大のアプローチができます。
すなわち、自社の売上を最大化させるには、カスタマーサクセスと営業の連携は欠かせません。
当記事をもとに、カスタマーサクセスと営業の関わり方を再確認しましょう。
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