クアルトリクスは管理画面上で簡単にアンケートの作成やデータ分析が行える特徴をもつカスタマーエクスペリエンスを可視化したプラットフォームです。
SaaSを活用したサービスで重要なのは、Webサービスやシステム公開後の改善と顧客のエクスペリエンスの反映です。
企業の伝えたい価値が顧客に届かなければ、サービスの満足度の向上に繋がらないため、サービス公開後は継続的に顧客の反応を見て改善する必要があります。
ただアンケートの作成や分析は手間がかかり、分析に時間がかかることも。
クアルトリクスを活用すれば、アンケート作成サポートだけでなくデータ分析や対策の提案も可能。
当記事ではクアルトリクスの基礎情報や特徴、導入事例について詳しく紹介します。
カスタマーエクスペリエンスの向上に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
クアルトリクスとは
クアルトリクスはクアルトリクス合同会社の開発した、アンケート作成やデータ収集、分析サービスです。
なぜクアルトリクスがアンケート調査などのカスタマーエクスペリエンスを可視化するのかというと、ビジネスの成長には以下の4つの指標が必要不可欠なため。
- ブランド
- プロダクト(製品)
- 従業員
- 顧客
サービスを公開した後に重要なのは顧客のエクスペリエンスです。
クアルトリクスはアンケートを通してカスタマーエクスペリエンスを可視化し、顧客に合った適切な対応ができます。
他にもクアルトリクスは「Qualtrics Experience Management Platform」を使った4つの指標を管理できるシステムを構築し、4つの相関性を強め相乗効果の向上をサポート。
つまりクアルトリクスは、企業が提供するエクスペリエンスとカスタマーエクスペリエンスを組み合わせて企業の成長を支援しているのです。
特徴
ここからはクアルトリクスの特徴について紹介します。
- アドバイザリーサービスでWebサイトの運用支援
- ニーズに合ったアンケートの作成・配信・集計が可能
- ダッシュボードが自由にカスタマイズできる
順を追って説明します。
アドバイザリーサービスでWebサイトの運用支援
クアルトリクスを導入すれば、自社のWebサイト内にアンケート機能を表示させることが可能です。
閲覧中に気軽にアンケートに答えられる仕組みを作れば、実行中の操作に関する満足度を最適なタイミングで把握できます。
さらにアンケートの表示設定は顧客の行動やプロファイリングなど、カテゴリによって使い分けられるため、より詳細な顧客データの分析が可能。
Webサイトの運用支援としても効果的です。
ニーズに合ったアンケートの作成・配信・集計が可能
クアルトリクスはニーズに合ったアンケートを簡単に作れる点が特徴のひとつ。
アンケートの集計結果はダッシュボード上で一括管理ができ、サービスごとに作成したアンケートそれぞれの結果もまとめて分析が可能です。
Webサイト上だけでなく、メールやSNSなどサービスを問わずアンケートの配信ができるため大量のデータが集められます。
またフォローアップ体制も万全で、回答状況を把握した上で未回答者に対する対策行動を自動的に設定する点は、クアルトリクスならではの特徴といえるでしょう。
ダッシュボードが自由にカスタマイズできる
ダッシュボードに表示させるデータは自由にカスタマイズできます。
会社が現段階で比較したいデータを表示させることで、対策を立てやすいでしょう。
ダッシュボード上でアンケートの作成も行います。
コードを使うことなく簡単な操作で誰でも使いこなせる点も、企業へ導入しやすいメリットです。
機能
ここからは、クアルトリクスの機能の概要について説明します。
クアルトリクスには大きく4つの機能を備えています。
- 声をきく + 記録
- 処理 + 理解
- 行動するカルチャーの構築
- チャネルトークの強み
順を追って説明します。
声をきく + 記録
「声をきく」とはアンケート機能のこと。
クアルトリクスの強みは、顧客に答えやすいアンケートを適切なタイミングで表示させ、集計したデータを分かりやすく記録する機能です。
Webサービスを利用中以外のタイミングでアンケートを発信する機能も豊富。
例えばAppleWatchを利用するユーザーに向けて2択のアンケートを送れば簡単に回答しやすいため、回答してくれる可能性が高まります。
声をきく機能はアンケート結果の精密度を上げるためにも重要な要素です。
処理 + 理解
アンケートのフリーコメント部分には顧客の率直な意見が記載されることが多いですが、コメント内容をデータに反映させるのは難しく、従来のアンケート集計機能だけではアンケート結果を十分に活用できない問題点がありました。
クアルトリクスに導入されているIQは強力な機械学習と自然言語処理機能を備えています。
そのため、フリーコメント部分の文章のパターンを解析しデータごとに収集することが可能。
先進的なテキスト分析や音声解析を活用して、データの分析能力を高めています。
行動するカルチャーの構築
クアルトリクスに導入されているAIは、機械学習によって推奨されるアクションを自動的に生成します。
例えば顧客のアンケートで、商品の質についての言及があればAIがアンケート結果を分析し結果を商品開発部へ通知することが可能です。
アンケート結果を瞬時に必要なサービス部門へ通知することで、データ改善までの時間を短縮できます。
もしアンケートで質問項目への回答を求められた場合、クアルトリクスを利用すれば担当者が早急に対応できるため、顧客の満足度の向上にも繋がるでしょう。
チャネルトークの強み
クアルトリクスはオムニチャネル・カスタマーサービスを提供しています。
つまりFaceBookやInstagramなど複数のサイトやアプリケーションのチャネルトークへの対応をダッシュボードで管理できるということです。
さらによくある質問などのワークフローを自動で作成し、必要であれば適切なコンタクトセンターの担当者にメッセージを振り分けます。
対応したチャネルトークのデータを分析すれば、問い合わせへの対応策を用意できるでしょう。
導入事例
ここからは、実際にクアルトリクスを導入した企業の事例を紹介します。
日本の企業でクアルトリクスを導入した例は、以下の2社です。
・Hacobu
・三井住友信託銀行
それぞれクアルトリクスを導入してどう変わったか、順を追って説明します。
Hacobu
株式会社HacobuはIoTとクラウドを統合した物流情報プラットフォームを提供する会社です。
Hacobuの課題は顧客の声を聴く環境の整備でした。
既存のシステムや仕組みを活用して取り組めば、IT人材を追加する必要性が出てくる上に月の作業量に負荷がかかるため、クアルトリクスを導入しました。
クアルトリクスを導入後、サービスのオンボーディングの終了時や契約更新時にアンケートを表示させることが可能になり、企業の設定したタイミングで顧客からデータを獲得できました。
収集したデータはレポートとしてダウンロード、もしくはSalesforceやSlackなど社内システムと連携ができるため、社員全体で顧客のNPSやその理由を簡単に把握できるようになり、サービス改善を実現しています。
三井住友信託銀行
三井住友信託銀行はコンサルティング業務の向上、顧客のニーズ理解を目的にクアルトリクスを導入しました。
クアルトリクスを導入後、アンケートの集計時間や反映時間が下記のように改善されたそうです。
集計時間 | 反映時間 | |
従来 | 1〜2ヶ月 | 1.5ヶ月 |
導入後 | 1〜2日程度 | 10倍以上短縮 |
カテゴリごとの結果の可視化や改善を短期間で行えるため、顧客エクスペリエンスの向上に繋がっています。
クアルトリクス利用者からの評判
ここからは、クアルトリクスの利用者の評判や口コミを見ていきましょう。
サービス内容やサポートの質、アンケートなどの作成機能に関連したさまざまな意見がありました。
良い評判、悪い評判に分けて紹介します。
クアルトリクスの良い評判・口コミ
クアルトリクスは直感的な操作性とデータの収集能力が高く評価されています。
ダッシュボード内で誰でも簡単にアンケートの作成ができる点や、配信方法を設定すればクアルトリクスが自動的にアンケートを表示させてくれる点は、作業の手間を省く大きなメリットとなるでしょう。
また集計後のデータをすぐに可視化できるため、サービス改善までの時間を大幅に短縮できる点も良い評価のひとつです。
クアルトリクスの悪い評判・口コミ
クアルトリクスの本社は米国にあるため、サービス説明の一部の日本語が不自然な場合も。
サポートの問い合わせに関しても、内容によっては英語で対応されることもあるようです。
また、エクセルのダウンロード時に日本語では文字化けを起こしてしまう場合もあり、日本での利用に関するサポートが不足している部分があります。
日本語への対応については2018年に日本にクアルトリクス合同会社が設立されたため、今後改善していく可能性が高いでしょう。
料金
2023年2月18日現在、クアルトリクスの公式サイトには有料版と無料版が用意されており、有料版に関しては料金の表示がありません。
料金を知るためには、問い合わせをする必要があります。
問い合わせページ:https://www.qualtrics.com/jp/contact/
無料版では50件以上のテンプレートとナレッジを活用してアンケートの作成ができ、500件までの回答を表示可能です。
まずは無料アカウントを作成しでサービスを体験してみて、有料版を検討する場合に問い合わせをするのがおすすめです。
類似サービス
クアルトリクスはアンケート機能を活用して、顧客の声をサービスの反映に活かしカスタマーサクセスを向上させるツールのひとつです。
カスタマーサクセスを向上させる関連サービスはクアルトリクス以外にも複数あります。
例えばSenses(センシーズ)を活用すれば、顧客がサービス導入時につまずくポイントを分析・改善でき、Growwwingを活用すれば顧客の利用状況の分析に役立ちます。
他にもカスタマーサクセスを向上させるサービスが気になる人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
当記事では、アンケート機能を使ってカスタマーエクスペリエンスを可視化したプラットフォーム「クアルトリクス」を紹介しました。
クアルトリクスはダッシュボードで直感的にアンケートの作成ができ、配信や収集、分析能力が高いプラットフォームです。
ただアンケートを集計するのではなく、テキスト解析やAIの導入によりアンケートを必要部署へ通知したり、アンケートの回答率を上げるための提案機能など、サポート機能が豊富なのが特徴のひとつ。
カスタマーエクスペリエンスを向上させれば、公開したサービスの改善や状況把握が簡単に行えます。
自社の成長のためにツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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