今、商品購入や継続にUGCが重要視されています。
オンラインショップで商品を購入する人が増加していますが、プロが撮った写真だけでは売れなくなってきています。
購入者は、リアルな写真と使った感想を求めており、実際に買った人の意見を信頼する傾向に変わってきているからです。
そこで注目されたのがユーザーによって作成されたコンテンツ「UGC」です。
当記事では、マーケティングに重要なUGCを実際に活用した企業の活用事例について紹介します。
UGCとは?
UGCとは
User Generated Content の略で、一般ユーザーによって生成コンテンツのことを指します。
主に、SNSの写真や動画、レビューなどのユーザーが発信した情報のことです。
商品を購入するときに重要な判断材料となる口コミや写真などが今注目されています。
旅行先の写真や飲食店の写真をTwitter・Instagram・Youtubeで探すことや、商品のレビューを楽天市場やamazonで探したりすること、すべてUGCといいます。
近年、ユーザーが検索するのに、Yahoo!やGoogleのほかにSNSのハッシュタグ検索の活用が増加することにより、企業の集客にUGCの重要性が高まっています。
企業がUGCを活用する3つのメリット
企業がUGCを活用するメリットは下記の3つです。
- 信憑性の高い情報を届けられる
- 拡散力が上がる
- 質の高いクリエイティブを確保できる
順を追って解説します。
信憑性の高い情報を届けられる
ブログ・SNSなどのコメントや口コミは、一般のユーザーの方が、自分の言葉で商品の感想などを投稿しています。
売り込みのような文章を見ても、心に響きません。
しかし、ユーザーがメリットやデメリットなどのレビューを投稿していたらどうでしょうか。
良い面も悪い面も知れて、購入しようという購買意欲が上がり、企業が宣伝するより信憑性が上がります。
拡散力が上がる
昔は、掲示板などを使って拡散していましたが、ツイッターやInstagramが出現してからは、SNSの影響力が大きくなりました。
UGCを上手く活用すると、今まで伸びなかったSNSのフォロワー数が伸びやすくなります。
フォロワー数が増えるということは、投稿を見る人が増えたり、拡散してくれる数が増えます。
拡散されることによって、購買意欲のある人に情報が伝わり、購入につながります。
質の高いクリエイティブを確保できる
インターネットやSNSに投稿されるUGCの中には、商品やサービスを検討したくなる情報が数多くあり、企業側が考えつかなかったアイデアも消費者の意見から気付くことあります。
UGCを使うと、制作にかかる時間やコストの削減だけでなく、お客様視点の質の高いアイデアを確保することが可能です。
UGCを利用している企業の活用事例8選
UGCを活用している企業の事例を紹介します。
- 株式会社アテニア
- ベースフード株式会社
- 株式会社I-ne
- アモーレパシフィックジャパン株式会社
- 株式会社テレビショッピング研究所
- ベルトラ株式会社
- キリン株式会社
- DINETTE株式会社
順を追って解説します。
株式会社アテニア
株式会社アテニアは、「一流ブランドの品質を3分の1の価格で」というブランドコンセプトに化粧品などを販売している会社です。
活用前の課題
- インフルエンサーに依頼し、投稿を買い取り、UGC風のコンテンツを使う施策を実施していた
- よりリアルなお客様の声を活用したい
活用後の効果
- LPのCVRが1pt.程度改善
- バナー制作の効率化
これまでインフルエンサーに依頼して、投稿を買い取り、UGC風のコンテンツを使った施策を実施していた。
こういった施策をもっと強化したい、よりリアルなお客様の声を活用したいと思い活用開始。
モニプラファンブログを活用してUGCを生成し、LPに掲載。
SNSのバナーにもUGCを活用することでInstagramから収集したUGCを使ったLPが、1pt.程度CVRが改善したり、SNS広告のバナーにもUGCを活用することでバナー制作の効率化になった。
今後は、メルマガや商品を送る際の同梱物、公式LINEなどの発信にも活用していきたい。
ベースフード株式会社
ベースフード株式会社は、1食で必要な栄養素をバランスよく取れるパンや麺の販売を行う会社です。
活用前の課題
- UGCごとにUGCを出し分けて施策の効果の向上を目指したい
活用後の効果
- CVRが1.24倍に向上
- LTVは380%に増加
SNSのアカウントでの投稿を紹介してCVRをあげる取り組みを実施したが、もっと施策の効果を向上させたいため活用を開始。
他のお客様が実際にどう活用しているかを現実にすることで、使っているところを思い浮かべられるUGCを厳選し、CVRが1.24倍・LTVは380%に増加と大きな成果を得られた。
株式会社I-ne
株式会社I-neは、ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」を運営する会社です。
活用前の課題
- 費用や人的リソースをかけずに、素材をたくさん調達したい
活用後の効果
- CVRがUGC活用開始1ヶ月で約2倍に向上
費用や人的リソースをかけずに素材をたくさん調達したいと思い、キャンペーンのLPにInstagramを活用。
写真のほかに、ユーザー名・コメントも合わせて表示した。
その結果、ヒートマップでは、UGCを置いたエリアだけ赤くなった。
CVRがUGCを利用してから1ヶ月で約2倍に増え、商品検討のときに求めている情報であることがわかった。
担当者も、UGCを置くことにより、素材の増加と調達コストの低減に有効に機能すると評価。
アモーレパシフィックジャパン株式会社
アモーレパシフィックジャパン株式会社は、韓国コスメで若者を中心に人気の「エチュード」ブランドを展開する会社です。
活用前の課題
- イメージしづらい使用感をオンラインショップ内で訴求し、購入前の不安を払拭したい
活用後の効果
- 商品の魅力を分かりやすく伝えるコンテンツだけでなく、離脱率や回避率を改善する売り上げに直結
オンラインショップ特有の悩み、現物がないからイメージがつきにくい使用感などオンラインショップで買う前の不安をなくしたかった。
不安を解消させる方法は何かないかと探しているときにUGCに出会い、お客様同士のコミュニケーションからなる口コミや画像や動画を利用。
アモーレパシフィックジャパン株式会社では、口コミなどをみて購入したいと思ったお客様がスムーズに購入できるようにオンラインショップに「USER’S VOICE」を設置。
「USER’S VOICE」をクリックすると、すべてのコメントと商品購入ページのリンクが表示。
内容をみて気に入ったら、各商品購入ページに移動できるようになっている。
商品購入ページでは、批評に加えて、画像付きのUGCも設置してわかりやすくしている。
上記のような施策だけでなく、離脱率や回避率の改善により売り上げに直結できるようになった。
株式会社テレビショッピング研究所
株式会社テレビショッピング研究所は、「ダイレクトテレショップ」やインターネット・カタログなどの媒体を通して、健康食品・日用雑貨・家電商品などを販売している会社です。
活用前の課題
- 料理のコンテンツは、素材準備や料理・撮影など多くの工程があり、失敗するとやり直しになってしまうので自社でコンテンツを用意できない
活用後の効果
- UGCをメインコンテンツの1つとして掲載したサイトで、平均滞在時間が123%、CVRが124%に向上
お客様が写真や動画で商品の調理風景を投稿してくれていたため、もっと活用したいと考えていた。
ブランドサイトやFacebook広告、InstagramのストーリーズなどにUGC「Letro」を活用開始。
Letroを導入して、平均滞在時間が123%・CVRが124%に増え、大きく向上した。
料理のコンテンツは、素材準備から料理を作って撮影と多くの工程があり、失敗するとやり直しで手間がかかり自社では用意できなかった。
SNSの写真や動画を使うと、簡単に集められ、コンテンツとしても質が高いと評価が高かった。
ベルトラ株式会社
ベルトラ株式会社は、13,000種類以上の現地ツアー「VELTRA」を運営する会社です。
活用前の課題
- 消費者向けのコンテンツを作成したい
- 時間が足りない
活用後の効果
- 類似した企画に2.81倍もの応募があった
「旅の行き先」ではなく、「旅先での体験」という新しい旅の形を提案。
消費者向けのコンテンツを作ることが大切である一方で、時間が足りない問題が発生する。
Instagramでは、旅行の写真や体験談が何千枚とあり、プロの写真より旅行に行った人が撮った写真の方が親しみがあるということで利用。
ベルトラ株式会社では、現地の写真をInstagramを投稿してくれる方を募集する「旅レポーターキャンペーン」企画を提案。
似た企画に2.81倍という応募があり、成功しました。
キリン株式会社
キリン株式会社は、若者を中心としたキリンファンとのコミュニケーションを活性化する目的で運用しました。
活用前の課題
- 投稿の「量」と「質」の保持ができない
活用後の効果
- 素材収集の運用工数の削減
- 月の投稿数を2倍に
- エンゲージメントが135%に
Instagramを開始するとすぐ「量」と「質」の保持に課題にぶち当たるが、UGCで投稿数を増加でき、ファン目線の新たなアイデアを得られるのではないかと利用をスタート。
投稿数も倍になり、いいね!やコメントなどのエンゲージメントも平均135%になった。
写真や動画の使用許可で発生するファンとのコミュニケーションに意味があると感じている。
DINETTE株式会社
DINETTE株式会社は、コスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」を展開している会社です。
活用前の課題
- UGCを数多く利用しているが、成果が見えずうまく利用できなかった
活用後の効果
- 新規顧客獲得用LPやECサイトに掲載
- オフラインの広告や同梱物などにもUGCを展開
- 導入前より売上を3.7倍に
もともとSNS上に多くのUGCを持っており、Instagramの投稿画像を貼っていたが、成果が見えなかった。
成果が見えるようになりたいと考え、運用型UGCツール「Letro」の導入。
UGCの定期的な収集とECの基幹システムとAPIを連携して、自動的にInstagramの投稿やレビューを作り集めるメカニズムを作成した。
Letroを導入した結果、売り上げを活用前の3.7倍に向上した。
事例から読み解く5つの活用ポイント
UGC活用事例から読み解く活用ポイントは下記の5つです。
- UGCを活用する目的を明確化する
- UGCを通じて企業として伝えたいことをはっきりする
- SNSの連動キャンペーンを活用する
- UGCの収集システムを構築する
- ツールを上手く活用する
順を追って解説します。
UGCを活用する目的を明確化する
UGCは利用する目的を明確化したり、どんな課題を解決したいのかによって、方向性がわかります。
UGCの活用目的
- 商品の認知
- 商品の興味
- 商品の購入
- 商品の継続
- 商品のアップセル・クロスセル
- 他者へ推薦・拡散
目的に対して、最適なUGCは何なのかを考えてから利用しましょう。
UGCを通じて企業として伝えたいことをはっきりする
先述の活用目的を明確したら、企業としてユーザーにどんなことを伝えたいのか、提供したいのかを決めます。
提供したい内容が決まったら、ハッシュタグを検討し、ハッシュタグ検索を通じて適切なUGCが発見できます。
SNSの連動キャンペーンを活用する
UGCと各種SNSは相性抜群で、SNSの連動キャンペーンを行うと、効果的です。
SNSを使ったUGC集客は、費用を抑えながらプロモーションができて、ユーザー同士でコミュニケーションが生まれることでエンゲージメントの向上も期待できるというメリットがあります。
UGCの収集システムを構築する
ハッシュタグや@メンションがついた投稿を自動的に検知・収集ができるツールもあります。
SNSに上がっている口コミを使用するときにはユーザーに許可を取り、クレジットの表記が必要です。
ツールを上手く活用する
UGCは専門知識がなくても、いろいろなツールと紐づけができます。
UGCツールを活用すると、企業側で探す手間が省けたり、ユーザーへの許可取りがスムーズになります。
マーケティングを簡単かつ効果的にするために、UGCツールを上手く活用していきましょう。
まとめ
当記事では、UGCを利用した企業の活用事例を8つ紹介しました。
- UGCを活用する目的を明確化する
- UGCを通じて企業として伝えたいことをはっきりする
- SNSの連動キャンペーンを活用する
- UGCの収集システムを構築する
- ツールを上手く活用する
利用している企業の活用事例から分かるポイントは上記の通りです。
売り上げが向上した企業が多く、SNSとUGCの相性がいいことが分かります。
UGCを利用したいけど、いろいろな企業の声が聴きたいという方は、当記事を参考にしてみてください。
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