近年、カスタマーサクセスの知名度が、国内でも高まると同時にカスタマーサクセスオペレーションの注目も集めています。
しかし、カスタマーサクセスは知っていても、CS Opsのことを詳しく知らないという人が多いのも事実です。
当記事では、カスタマーサクセスの役割の1つ「CS Ops」の業務内容や、CS Ops(カスタマーサクセスオペレーション)とCSM(カスタマーサクセスマネージャー)の異なる点を紹介します。
CS Ops(カスタマーサクセスオペレーション)とは
CS Ops(カスタマーサクセスオペレーション)とは、カスタマーサクセスの役職の1つです。
カスタマーサクセスは、SaaS事業向けに行っていて、顧客に自主的に働きかけ成功体験へ繋げます。
解約率を下げ、売り上げが起きそうなときにお知らせすることで、売上を向上させます。
カスタマーサクセス活動の成果を最大限に得るため、分析から立案までの業務を担当するのがCS Opsの仕事です。
- ヘルススコアの設計と分析
- CSMの全体設計
- カスタマーサクセスツールを導入する選定・設計から分析
- オンボーディングにかける対応時間の短縮のためのセルフオンボーディングコンテンツの作成
- 営業やマーケティングなどの連携
- CSMの業務効率化の提案
上記の業務をCS Opsで担っています。
CS Opsの役割とは
CS Opsの役割は以下の3つです。
- CS Opsのミッション
- CSMとの違い
- カスタマーサクセスの中での位置付け
順を追って説明します。
CS Opsのミッション
CSMの仕事が円滑に進むように、サポートしなくてはいけません。
まず、CSMの業務を理解し、システムやオペレーションからCS活動の効果をレベルアップすることが、CS Opsのミッションです。
社内のデータを活用することにより、分析・管理・運用の業務がうまくいき、チーム全体の営業効率が上がります。
CSMとの違い
CS OpsとCSMの違いは、顧客対応をするかどうかです。
CSMは、企業内でカスタマーサクセスを行う人のことを指します。
顧客と接しながら、解約率・アップセル・GRR・NRRなどを管理し、顧客のLTVを最大化して成功へ導くのがCSMの業務です。
一方CS Opsは、CSMを手助けする役割となっています。
顧客対応を行わず、データ分析や集計・他部署との連携などを行い、組織全体のコストパフォーマンスを図ります。
滞りなく業務ができるように手助けするのが、CS Opsです。
カスタマーサクセスの中での位置付け
CS OpsはCSMを手助けするポジションです。
CSMは、顧客の対応や顧客管理、アップセルや解約率を見ながらどうやった収益が上がるのかを考える業務を行います。
CSMがツールについてわからないときなどにCS Opsがフォローすることで、CSMを手助けし、カスタマーサクセスの効率を向上する位置にいます。
CS Opsが重要な理由
CS Opsが重要な理由は下記の3つです。
- 生産性や効率化の向上
- 売り上げロスの防止
- 戦略的なKPI設定の期待
順を追って説明します。
生産性や効率化の向上
カスタマーサクセスは、業務範囲が広いです。
カスタマーサクセス責任者が、すべての部門をまとめ、最前線で成功事例や問題をシェアします。
シェアされた情報をもらい、CSMやCS Opsが業務を行います。
CSMは、顧客対応が中心です。
多くのツールを扱わないといけないため、ツールのことでわからないことがあると、業務が滞ります。
滞らないために、ツールをうまく使いこなせないCSMをフォローするのもCS Opsの仕事です。
フォローすることにより、組織全体のツール運用の効率があがり、生産性が向上します。
売り上げロスの防止
カスタマーサクセスに必要なデータの集計や分析は、CS Opsが行います。
集計・分析したデータを参考に、アップセルが上がるタイミングを知れますし、利益の計上に繋げます。
CS Opsによって、ヘルススコアの監視もできるため、解約を止めることができるので、売り上げロスの防止も可能です。
戦略的なKPI設定の期待
カスタマーサクセスの業務をCS Opsは一歩引いた目線で見られるので、戦略的なKPI設定ができたり、KGIやKPIが適正に進んでいるか把握できます。
適正にできていない時に責任者に報告することもCS Opsの業務の1つです。
CS Opsの具体的な業務内容とは
CS Opsの具体的な業務内容は以下の3つです。
- システム・ツールの整備と運用
- データに基づく戦略立案
- システム・オペレーション全体の設計と改善
順を追って説明します。
1.システム・ツールの整備と運用
- CRM(顧客関係管理システム)の導入における販売会社の選定
- システム導入とシステム導入後の運用と改善
- システムを定着させるための支援
- システムを利用に関するお問い合わせ対応
2.データに基づく戦略立案
- カスタマーサクセスの効果測定
- 過程評価指標の設定
- カスタマーサクセスの施策結果の分析
- 各種顧客データの分析
- 分析から分かる課題やなぜ成功したのかを考え、案を出す
3.システム・オペレーション全体の設計と改善
- カスタマーサクセス活動の過程整備
- カスタマーサクセス活動の情報を各部署に共有
- カスタマーサクセスを初めて担当する人の支援
- コミュニケーションや情報流通に必要なシステムの設計や改善
CS Opsを導入するタイミング
CS Opsを導入するタイミングは、CS Ops特有の業務に打ち込める人がいることです。
CSMを大量に雇えば、顧客との営業は回りますが、支える役割のCS Opsがいなければ、ツールに関する問い合わせやシステムの運用は、効率が悪くなります。
営業・マーケティングができる人を兼任させるか、CS Opsができる人を雇うと、組織全体のツール運用の効率良くなります。
CS Opsに向いている人・向いていない人
CS Opsに向いている人と向いていない人を説明します。
向いている人
- コミュニケーションスキルがある
- ITツールを使いこなせる
- 調整力がある
順を追って説明します。
コミュニケーションスキルがある
CS Opsは、CSMが顧客対応に専念できるように手助けをしなくてはいけません。
カスタマーサクセス業務には、他部署とコミュニケーションをとって、プロセスを構築していきます。
コミュニケーション能力がないと、業務が進まないので、いろいろな人と喋ったりすることが苦じゃない人はCS Ops向きです。
ITツールを使いこなせる
コスパよく仕事をするためにCRMやカスタマーサクセスプラットフォームなどのITツールを使いこなせないといけません。
使いこなせないと、スムーズに仕事が回らないため、必要なスキルです。
調整力がある
CS Opsは、他部署の調整も行います。
データ共有や業務連携を円滑にできる体制づくりを行うため、調整力は必要なスキルとなっています。
向いていない人
CS Opsに向いていない人は以下の通りです。
- 営業のように顧客と会話がしたい人
- 自分が目立ちたい人
- 努力が嫌いな人
- 事務作業が苦手な人
順を追って説明します。
営業のように顧客と会話がしたい人
営業のように、顧客とお話をしたい人は、CS Opsには向いていないです。
コミュニケーションを取りたい人は、CSMのような業務をおすすめします。
目立ちたい人
目立った仕事がしたい人は、CS Ops向きではありません。
CS Opsは、縁の下の力持ちや影の立役者と言われます。
表立って目立ちたいという性格の方には、難しいです。
努力が嫌いな人
CS Opsが未経験でも、努力すれば、どんどんCS Opsの業務が身につきます。
コミュニケーション能力は、人と触れ合うことで、少しずつ改善しますし、ITツールも勉強すればスキルがついていきます。
調整力も実践を積めば、ついていくスキルです。
努力すればもちろんスキルはどんどんついていくので、努力が苦手な人はCS Opsに向いていません。
事務作業が苦手な人
先述にもあったように、CS Opsは、下から業務を支える仕事です。
事務のようにコツコツやる仕事が無理という方は向いていません。
CS Opsは「カスタマーサクセスのカスタマーサクセス」
カスタマーサクセスは、CSM/CSPの人が顧客にどれだけの価値を提供できるかが大事です。
インジケーターの設計や設定を行うだけではなく、CSMがしっかり顧客対応できるようにCS Opsは下から支えるのが業務の1つになります。
CSMが顧客に対応しLTVを最大化していくお手伝いをしていく中で、CSMが分からないことをCS Opsはフォローをするので、カスタマーサクセスのカスタマーサクセスと言えます。
まとめ
当記事では、カスタマーサクセスの縁の下の力持ち「CS Ops」の業務内容やCS OpsとCSMの異なる点について紹介しました。
- システム・ツールの整備と運用
- データに基づく戦略立案
- システム・オペレーション全体の設計と改善
CS Opsの役割は上記の3つとなります。
CS Opsは、CSMのような顧客対応をしたり、解約率などを管理するような業務ではなくCSMを手助けする業務が多いです。
CSMがシステム関連でわからないことがあれば、CS Opsがフォローします。
CS Opsについて、もっと詳しく知りたい方は、当記事を参考にしてみてください。
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