SaaSにおいてサービスの売上を向上させるためには、顧客満足度を把握して顧客の反応をサービスに反映することが大切です。
顧客満足度アンケートの中に「あなたは○○を友人や知人に、どの程度すすめたいと思いますか?」という質問をみたことありませんか?
この質問は顧客満足度調査の中でもNPSという数値を計測するための質問です。
NPSとはNet Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略称で、顧客ロイヤルティ、つまり企業やブランドに対する愛着や信頼の度合いを数値化する指標のことです。
NPSは企業の収益性と連動すると考えられており、多くの企業がNPSを導入しています。
当記事では、NPSの分析ツールEmotionTechについて紹介します。
顧客の満足度を把握して売り上げに繋げたいと検討する方は、ぜひ当記事を参考にしてみてください。
EmotionTechとは
EmotionTechは株式会社エモーションテックが販売するカスタマーサクセスツールです。
EmotionTech CXとEmotionTech EXの2種類のサービスを展開しています。
両者のサービス概要は以下をご覧ください。
対象 | 概要 | |
EmotionTech CX | 顧客 | ・アンケート作成・分析機能にNPSを導入 ・顧客満足度調査から企業の課題を把握し、改善点をサポート |
EmotionTech EX | 従業員 | ・従業員向けのアンケート調査・分析 ・組織の課題や特徴を把握し、パフォーマンスの改善を実現 |
つまり、EmotionTech EXで組織内のモチベーションを向上できればサービスの質が良くなり、EmotionTech CXで顧客満足度を向上させる施策に取り組めば、結果として顧客満足度が上がり売上向上へと繋がるということです。
両者を組み合わせることで、企業の成長や売上の向上が期待できます。
特徴
ここからは、EmotionTechの特徴について見ていきましょう。
- アンケートの作成が簡単
- アンケート結果を自動分析
- 課題の洗い出し
順を追って紹介します。
アンケートの作成が簡単
EmotionTechは誰でも簡単にアンケートを作成できます。
簡単に作成できる理由は、豊富なテンプレートが用意されているからです。
例として、下記のようなテンプレートが用意されています。
【テンプレート一例】
- WEBサービス
- 小売店舗
- コールセンター
- 対面接客
- 法人間(BtoB)サービス
参考:[「EmotionTech CX」サービス概要資料 _2022 ITWeek春]
自分で一からアンケートを作成することも可能です。
つまり、様々なタイプの質問項目から顧客の本心を引き出すための条件を設定でき、企業ごとの雰囲気に合わせたデザイン変更も可能になります。
最小限の手間でアンケート作成ができるため、気軽に作成してすぐに調査ができる点が魅力といえるでしょう。
アンケート結果を自動分析
アンケート結果はダッシュボード内で自動分析します。
年代、性別、購入履歴などの属性ごとの分析はもちろん、フリーコメント部分から特徴的なキーワードの分析も可能です。
豊富なデータから、自社のロイヤルカスタマーになりうる人物像を把握でき、リアルタイムで集計できる点も魅力のひとつです。
アンケート実施と結果把握までタイムラグがないため、すぐに対策に取り組めて、早急な顧客満足度の改善に活かせます。
課題の洗い出し
EmotionTechの特徴のひとつは、カスタマージャーニーマップの分析による課題の洗い出しです。
カスタマージャーニーマップとは顧客がサービス体験する際の流れを指します。
EmotionTechはカスタマージャーニーマップ内の顧客体験の価値を測定しグラフ化します。
つまり、利用者の利用の流れの中で改善すべきポイントが一目でわかるということです。
カスタマージャーニー内の課題が改善されれば、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
機能
EmotionTechの持つ機能は以下のとおりです。
- ヘルススコア管理
- CSAT調査
- NPS調査
- チャーンリスク管理
- KPI管理
- アップセル機会の管理
順を追って説明します。
ヘルススコア管理
EmotionTechは複数のデータを組み合わせて、顧客のヘルススコアを分析します。
ヘルススコアとは、顧客が自社のツール利用を継続するかどうかを判断する指標のことです。
ヘルススコアを管理することで、顧客ごとに対策すべき項目が見えてきます。
EmotionTechがヘルススコアを分析する際に利用するデータの一例はこちらをご覧ください。
- 顧客プロファイル
- NPS調査
- 利用状況
- 決済状況
複数のデータを一括で管理できるからこそ、細かい分析が可能です。
CSAT調査
CSATとは顧客満足度のことです。
EmotionTechはアンケートという形で顧客満足度(CSAT)調査を作成しユーザーに送信します。
調査結果はデータとして管理できるため、定期的にアンケートを実施することで過去の結果と比較して顧客満足度の変化を分析できます。
NPS調査
NPSとは、企業やブランドに対する愛着や信頼の度合いを数値化する指標です。
上で紹介したCSAT調査と同じく、アンケート内にNPSを把握できる項目を追加して回答を依頼、集計できる点が魅力です。
定期的にアンケートを実施することでデータを集め、過去の結果と合わせ継続的に管理しながら改善点を分析できるため、長期的なデータ分析に向いています。
チャーンリスク管理
チャーンリスクとは、チャーン(解約)の可能性を指します。
EmotionTechでは顧客の自社サービスの利用状況を把握できるため、顧客がアップデート(契約更新)をしているか、サービスの利用頻度がどのくらいかを把握し、チャーン(解約)の可能性を予測することが可能です。
解約の原因に利用方法の複雑さやサービス対応に対する不満を発見できれば、顧客へアプローチすることで改善できるかもしれません。
解約を防ぐためにも、EmotionTechのチャーンリスク管理は活用できるでしょう。
KPI管理
KPIとは特定のパフォーマンスを計測・監視するために置く指標のことです。
KPIには、顧客ロイヤリティーを把握するためのNPSも含まれます。
EmotionTechでは、NPS以外にも特定の顧客に対するKPIを設置して数値で把握することで、顧客や顧客カテゴリごとの改善点や対策を検討できます。
全体的な指標分析の他に、階層別の分析が可能になれば、より細かくカスタマーサクセスに繋げられる施策を実施できるでしょう。
アップセル機会の管理
アップセルとは顧客の単価を向上させる手法のひとつです。
定期的にアンケートを実施することで顧客に関する情報を分析できれば、顧客ごとの潜在的ニーズを把握できるようになります。
ニーズの把握ができれば、オプション製品やコンサルティングサービスなどを提案できるようになり、結果的にアップセル機会を増やせるということです。
ニーズに合わせた営業であれば、顧客にとってもメリットになり、双方の関係性を強められます。
メリット
EmotionTechには以下のメリットがあります。
- 顧客の満足度があがる
- 労働環境が良くなる
順を追って説明します。
顧客の満足度があがる
EmotionTechは顧客のアンケート結果を分析することで、サービスの改善や対策を実施しています。
つまり顧客の声をすぐにサービス改善に活かせれば、顧客からすると「自分の声が反映された」と感じ、サービスに対して好感度を持つ可能性が高まります。
またサービスが改善されたことで顧客の満足度が上がるため、継続的にサービスを利用するロイヤルカスタマーになってもらえるかもしれません。
顧客の声に答えることが、カスタマーサクセスに繋がるということです。
労働環境が良くなる
EmotionTech EXでは、従業員に対してアンケートを実施できます。
企業成長には顧客満足度も大切ですが、企業で働く従業員の満足度も欠かせません。
従業員の職場満足度はeNPSを利用します。
経営者層が把握できない従業員の働き方や人事制度などに対する考え方を把握できるため、対策をすれば労働環境が良くなります。
eNPSの低い従業員に対しては個別で面接するなど、離職率の改善にも効果的です。
会社の組織管理や従業員のモチベーション向上施策に悩んでいる企業はぜひ検討してみてください。
導入事例
ここからは、EmotionTechを導入した2社の事例を紹介します。
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
- 株式会社マイナビ
自社にEmotionTechの導入を検討している方は参考にしてみてください。
株式会社セブン&アイ・ホールディングス
株式会社セブン&アイ・ホールディングスは2018年6月から「セブンマイルプログラム」の実施において、NPSを分析するためにEmotionTechを導入しました。
グループ全体の目標として、ロイヤルカスタマーの増加を掲げていたため、顧客満足度の把握はプロジェクトにおいて重要度の高い項目です。
EmotionTechの実施したNPS調査では、セブンマイルプログラムの基本的な項目であるセブンマイルに対して、顧客の「使い方や貯めるメリットがわかりづらい」といった声を分析できました。
NPS調査結果が判断材料のひとつとなり、顧客の声である「分かりやすさ」を追求した新しいサイトデザインの設計に繋がったそうです。
他にも、アンケートを通して特定の機能を利用することがNPSの向上に効果的だということも判明し、機能の充実性を高めるための施策に取り組んでいます。
EmotionTechを導入したことで顧客の声を継続的に聞き続ける大切さを学び、施策に活かした例です。
株式会社マイナビ
株式会社マイナビは、顧客との関係性の可視化と事業成長にも繋がる指標の把握が課題でした。
サービスに対する考え方を把握するためにNPSを採用し、EmotionTechの導入に至りました。
最初に取り組んだのはEmotionTechのカスタマージャーニーを活用した、マイナビが提供する顧客体験の大まかな課題の把握です。
課題を把握するために、顧客体験を3つのフェーズに分けてそれぞれでアンケート調査を実施しました。
そこで得たアンケート結果をフェーズごとに反映し改善したことで、フェースごとのNPSは向上し、サービスの継続率が上がるなどの効果が出たそうです。
NPSと企業の収益性の繋がりが分かりやすい例のひとつです。
料金
2023年2月26日時点で、EmotionTech公式サイトには料金の表示がありません。
料金を把握するには、問い合わせをする必要があります。
問い合わせURL:https://lp.emotion-tech.co.jp/inquiry_form
EmotionTech CX、EmotionTech EX以外にも投資家の意見を反映させるEmotionTech IXというサービスもあります。
自社に必要なサービスはどれか知りたいという方は、まず問い合わせフォームにて相談すると良いでしょう。
類似サービス
EmotionTechは顧客満足度や従業員満足度をアンケート機能を使って把握するツールのひとつです。
特に顧客に対する満足度はカスタマーサクセスと呼ばれ、カスタマーサクセスの把握は企業の成長には欠かせない要素です。
アンケート分析以外にもカスタマーサクセスを向上させるツールはEmotionTech以外にも多数あり、自社に必要な改善点はどこかを把握することで必要なサービスが変わります。
カスタマーサクセスツールについて詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
まとめ
当記事では、カスタマーサクセスツールのひとつEmotionTechについて紹介しました。
簡単に作成できるアンケートから、顧客の満足度やNPSを把握し即時改善につなげられるサービスは、企業の事業促進に役立ちます。
アンケート機能をカスタマーサクセスの向上として活用したい方は、ぜひEmotionTechの導入を検討してみてください。
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